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アール・デコと壁紙

先週末、庭園美術館で重要文化財指定記念 講演会がありました。
愛読している藤森氏(建築史家・建築家)の講演です、期待がふくらみます。

「アール・デコ-過去・現在・未来」

まだ白金迎賓館と呼ばれていた頃の出逢いから、当時の居室の壁紙などが残る貴重な写真を観ながら、建築と様式の推移、装飾についてわかりやすく、面白く進みます。
ただ、藤森さんはアール・デコは好きでないというオチつき笑
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講演の最後に「これからのアールデコの活用発展は?」との問いに、藤森氏からこんなこたえが。
建築家の村野藤吾が装飾世界の最後の拠りどころは「着物の反物」であるという話を例えに、テキスタイルや壁紙に派生したもの。との解答が。壁紙!嬉しいです!
確かに、日本には江戸唐紙・唐紙など紋様がいきる和紙が現代でも室内に持ち込まれます。輸入壁紙の世界では、アール・デコ的幾何学模様や鉱物系模様はいまだ多く、色やスケール感を現代に合わせ変貌し続けています。普遍の人気があるのでしょう。

今回の企画展は、邸宅建築の魅力と合わせて日本のコレクターズコレクションのポスターや家具などが多く展示。ライン取りの見事な家具に魅了されてしまいます。
私たちの会社で現在も扱っている「TEKKO」の壁紙見本帳やロールの展示もありました。
TEKKOといえば…今回の大改修でも妃殿下の居室の赤いダマスク、居間も復元されないのです。重要文化財に指定されたのですから、この機会に妃殿下の壁紙復元されないでしょうかね…期待し続けたいと思います。

今回の展覧会は、9月23日(水)迄です。 東京都庭園美術館




by wallart | 2015-08-03 10:03 | Style

輸入壁紙の「わ」が暮らしの中のデザイン・暮らしを楽しむちょっとした気づきをお届けします


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